こんにちわ。ライフキャリアコンサルタントのSINOです。唐突ですが、あなたは、人に言いたいことを上手に伝えることができますか?「自分は話しをするのが下手だな」とか、「言いたいことがなかなか相手に伝わらないな」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回はそのような方のために、私の体験を交えながら、伝え方のコツをご紹介したいと思います。
伝える力は「技術」である
「伝えるスキル」とは、「伝わるスキル」でもあります。「伝わる」とは、相手が理解しやすいように、納得できるように話すことで、おしゃべりすることとは、まったく別です。より理解してもらいやすいように話すにはテクニックが必要です。このスキルを持っているか否かで、仕事の質にも差が生じてきます。たとえば、ビジネスの場でも、上手にプレゼンテーションができなければ、どれほど優れた企画も、聞き手にとって魅力的には映らないものです。
「伝えて」魅せる!コンサルティングを実践
高級ブランド「Flou」(現:Flou.spa)元ショップマネージャーSINOの実例から
これは商品販売にも当てはまります。私は以前、イタリアミラノの高級寝具ブランド「Flouフルー」の店長でした。フルーのベッドは、デザインのみならず、機能性にも優れた最高級品です。当時価格でシングルサイズで120万円ほどはしたと思います。それでも、当時は、お客様ファンを多く集める人気のショップとして、話題になりました。
「伝える力」なしでは、人の心は動かない
私がこの仕事に就いたばかりの頃、フルーは銀座三越の小さな実験店舗でした。スタッフは私を含めて2人のみ。多忙な日々でしたが、丁寧な接客と顔の見えるお客様づくりを心掛けていました。すると、次第に売上げが向上し、多くの固定客がつくようになりました。そして、銀座店のリビング売場イチの話題店となったのです。さらにその4年後、三越日本橋本店に規模の大きな店舗となってオープンに至りました。このようになった理由は、もちろんブランド自体の魅力があります。しかし、高額の商材は「伝える力」なしでの販売は無理です。お客様の心を動かすことができる接客こそ、プロフェッショナルな接客です。
「伝える」に注力して大成功
私がどのようにお客様と関わり、ブランドの商品の魅力をお伝えしてきたのか。そして、ショップに集まるファンのお客様をどのようにつくってきたのかを、お話ししましょう。その「方法」というよりも、「信念」を明かします。
お客様と接するとき、私は自らが「販売員」と思いながら接客をしたことは、一度もありません。売上目標があるとしても、この信念は一度も崩したことがないのです。これは、本当のことです。
フルーというブランドを、まずはお客様に知っていただきたい。そして極上の眠りを「伝えること」に専念していました。「購入して欲しい」と思うよりも、ファンになって欲しかったのです。そして、「一生に一度でいいから、このベッドで眠ってみたい!」そう思っていただけたなら、私は本当に嬉しいと考えていました。売上や新規顧客獲得数が良かったことは、その結果です。思いがお客様へ届いたのだと思っています。
「五感」で魅せるコンサルティング方法 -経験からの習得
ショップのファンをたくさん作り、自然とお客様が集まってくる環境を、実際につくってきました。では、私がどのようにお客様にコンサルティングをしていたのかを、具体的にご紹介したいと思います。
私は「五感」で魅せて、ブランドや商品を説明し、ご提案していました。「このベッドが寝室に実際に置かれ、身体を横たえて最高の眠りについているご自分の姿」を想像していただくように話をしていました。「景色が見えるように」伝えながら話をしていた」ということになります。
さらに具体的に、私の接客のイメージを可視化してみました。
私が接客してきたのは、最高級の「ベッド」や「寝具」などです。
五感を活かしてお客様に『理想の寝室像』をイメージしていただくコンサルティングを実践してきました。
五感を活用して想像していただくとは、つまりこのようなことです。
- 視覚:素敵なベッドが寝室にある情景を描く
- 触覚:ベッドリネンの上質な触り心地と眠り心地を想像
- 味覚:朝はミルクティ、夜はハーブティを楽しむひととき
- 嗅覚:やすらぎのアロマが漂う空間
- 聴覚:高級感のある静かな環境ややすらぎの音楽
「ほかではなく、このブランドだけしか味わえない、特別で贅沢な感覚や、感触がある!」この私の気持ちが、しっかりとお客様に届いたならば、きっと「私の寝室で実際に味わってみたい!」。お客様に、そう思っていただけるのではないか、と願っていました。それを証明するかのように、多くのお客様が、自然と私たちのショップに足を運んでくだるようになっていったのです。
「伝える力」は就職活動でも役立つ
「景色を見せる」という伝え方は、ビジネスのみならず、就職活動にも活用できます。現在、私は都内の大学で就活アドバイザーとして活動しています。就活面接では、見ず知らずの面接官に、自分のことを伝えなければなりません。自分が伝えたいことが、相手にきちんと「伝わっている」ことが前提です。いくら熱意があっても、それが下手ならば、内定獲得には結びつかない、かなりシビアなものです。
自分のもつスキルや経験を、単に説明しただけでは、全然足りません。面接官の「心が動かないから」です。「この会社でどのような力を発揮できると考えているか。」「将来の目標はなんなのか。」そういったことを、根拠や価値観、想いも含めて話しをすることが大事です。そうすることで、ようやく面接官に届くようになるのです。自分がこの企業で実際に『働いている姿』を、どれだけ詳細に相手にイメージさせることができるか。それが、内定獲得のカギです。
たとえば、「私の強みは、目標に向かって最後までやり遂げる力です。大学の研究では・・・」と、強みとエピソードを述べて終わる学生がいます。一方で、「私の強みは、目標に向かって最後までやり遂げる力です。たとえ辛くても最後までやり遂げてこそ、成長できると考えています。大学の研究では・・・」と話をはじめて、「この経験を社会でも活かし、困難をも乗り越え、貴社やお客様のために、より良いサービス提供に貢献できると考えています!」
こう述べる学生のほうが、面接官には魅力的に映ります。その理由は、頑張ってくれる姿をイメージできるからです。
「伝える」ポイントは「見える化」!
あなたが「伝えるのが苦手」なら、ぜひ「見えるように話す」を意識してみてください。五感をすべて活かすというと、少し大げさかもしれませんが、そのくらい相手に「景色を見せる」ことが大事です。伝えたいことを「見えるように話す」。この技術を身につけて、あなたの思いを相手に届けてください。最初は難しいかもしれませんが、意識をすれば、だんだんとできるようになります。
五感を磨き、「伝える力」を育てよう
「伝えるスキル」は、少し意識さえすれば、誰もが簡単に養うことができる技術です。五感を活用して相手に、景色を思い浮かべていただくように意識する。そうすれば「伝えるスキル」をさらに高めることができます。ビジネスでも、就職活動でも、日常生活でも。「伝えるスキル」はあなたの可能性を広げてくれるはず。あなたも、この記事を参考に、会話力を磨いてください!