みなさん、こんにちわ。ライフキャリアコンサルタントのSINOです。突然ですが、皆さんは「日本神話」にどのような印象をお持ちでしょうか?古事記や日本書紀に記された「物語」として、学校の授業で軽く触れたという記憶でしかないという方もいらっしゃるかもしれません。人生とは、ときに迷い、立ち止まり、何をすべきか分からなくなる瞬間の連続です。誰かの助言を求めたくなったり、成功者の言葉を参考にしたいと思うこともあるでしょう。
そんなとき、根本的な「日本人らしさ」や「人としてのあり方」を教えてくれるのが、日本神話です。アマテラスやスサノオ、イザナギとイザナミといった神々の物語。彼らの葛藤や試練、乗り越え方を通じて現代を生きる私たちにも響く、普遍的なメッセージを伝えています。今回は「日本神話」は最高のキャリア本であるについて解説していきます。
日本人の根本を学ぶキャリア本は「日本神話」
現代人に響く日本神話の教え
現代はストレス社会。多くの人がさまざまなストレスを抱えています。仕事や家事、人間関係、将来の不安と、悩みはつきものですよね。書店でキャリア本が並ぶ棚を眺めていると、さまざまな自己啓発本を目にすることと思います。「ポジティブシンキング」「マインドフルネス」「瞑想」など…。「どれを選んだらいいんだろう・・・」と目移りしてしまうほどです。海外からも多くのメソッドが入ってきています。どれもとても素晴らしいメソッドであることは言うまでもありません。ですが、日本人が本当に学ぶべきキャリアメソッドがあります。それが「日本神話」です。
古事記に秘められた私たちへのメッセージ
「古事記」は 1800年以上前に作られた日本最古の歴史書とされています。「八岐大蛇伝説」や「因幡の白兎伝説」などは、聞いたことがあるでしょう。「それは伝説でしょ?」とか「歴史書でしょ?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。神話や伝説というものは、どこか非現実的なもののようにも感じます。
ですが、「古事記」から私たちは重要な学びができます。日本という国をつくった神々が、いったい何を考え、どのように行動しのたか。そのような観点で物語を観察するのです。
ここには、私たち日本人が学ぶべき、アイデンティティが多く込められています。古事記は日本の神様による、私たち現代日本人にとっての「キャリア本」です。
日本の神様は、困難と試練のレジェンド
日本神話に登場する神々は、数々の苦労を経験します。経験から学び、自分を成長させ続けていくその姿は、まるで、現代に生きる私たちと同じです。
自らが苦労を重ねて疲弊する姿さえも見せてくださる日本の神々は、困難と試練の最高峰レジェンドとも言えます。叱咤や屈辱を受けながらも、自らの道を見出していくのです。西洋の神々のごとく絶対的な強さを誇り、何をしても『神(ゴッド)』な存在とは異なる姿をさらけ出してくださいます。
私たちが日常お参りをする神社での「ご利益」は、神々からの恩恵です。困難を愛に変え、分け与えてくださっていると考えれば、感謝の気持ちを感じるでしょう。こうした日本の神々の姿から、私たちは生き方や、精神を学ぶことができるはずです。
日本の神様が込めた日本人へのキャリアメッセージ
日本神話には、私たち日本人の価値観や文化が色濃く反映されています。人生を切り拓くための「生き方」や「考え方」の原点がここにあるのです。日本の神々はそれぞれに個性的です。それぞれに生きる道があります。それぞれに与えられた「使命」があり、その「使命」を自ら見出していくのです。そういった姿から、私たちは多くのメッセージを読み取ることができます。
アマテラス大神は「困難に対する知恵」。スサノオは「反省と再生の大切さ」。オオクニヌシは「やさしさと協力の力」。日本神話から多くの気づきを得ることができるのです。
困難に直面したら日本神話を思い出そう
私は困難に直面したとき、日本の神々を「擬人化」して学びにします。あの神様はこう考えたな。あの神様も、何度も何度も失敗していたな…。など、自分自身が道に迷い、不安になるとき、勇気やヒントをいただくのです。自らの状況を客観的に捉えることができるようになるため、冷静になって内省することが多いです。
生きていれば、誰でも何度も人生の岐路は訪れます。勇気をもって行動しようと、決意して歩を進めたものの、二の足を踏んでしまったり、往生際が悪くてチャンスを逃したり、途中で尻込みをすることもあります。どうすることもできなくなり、気持ちが沈んでしまうかもしれません。
そんなとき、思い出してください。日本の神々も同じような失敗の繰り返しをしています。神々しい先駆者の姿をイメージすれば、勇気や、気づきを得られます。人生は試行錯誤することは必然なのです。そうやって、自らの使命をみつけるため歩み続ける。それが大事だというメッセージが、そこには込められているのです。
なぜ日本神話は私たちの心に馴染むのか
私たちは日本人です。祖先が残したものは、私たちが潜在的に持つ価値観と深く強く結びついています。その導きは、あなたの人生の羅針盤になるでしょう。自国の文化や、歴史に深く根ざしたメソッドを取り入れ、自身の心の中に宿れば、自分がどこへ行き、何をすればよいのか。そのすべてがわかるでしょう。そしてそれは、私たち日本人ができる、日本という国への感謝のお返しにもなります。
神社参拝を通じて、神々との「ご縁」を深める意味
日本人は神社と深いご縁があります。年末年始には初詣に行きますし、まちを歩けば、あちこちに鳥居を見かけます。「私はあまり神社参拝しないな」という方もいらっしゃるかもしれません。そんな方も、散歩の途中に、ふらりと立ち寄って息抜きしたくなるのが、神社の境内。そのように、私たち日本人にとって、神社はとても身近な存在です。
『推し』という言葉が流行っていますが、日本の神様をぜひ『推し』てください。古事記に興味を持つことで、あなたの推しの神様と近づくことができるでしょう。深い敬意と、親しみを感じられるようになります。神社参拝が、いまよりも何倍も充実したものになるはずです。特別な準備もいりませんし、費用もかかりません。国内で楽しめる神社参拝は、長く続けられる最高の日常を与えてくれます。
日本人の価値観を日々のキャリアに生かす!
もう一つキャリアを学ぶうえで、忘れてはならない視点があります。「日本人の祖先」が育んできた「価値観」や「生き方」です。「和を重んじる心」など、現代社会で失われつつある価値観ですが、見直すべきものです。核家族化が進み、独りが多い時代です。ビジネスの中のみならず、これからの時代を生きるうえで、周囲との「和」は豊かい生きるうえでとても大事になるでしょう。
古事記に興味を持ち、日本人の叡智を理解することは、自分のルーツを再発見することであり、日々の生活やキャリアに生かすための一歩です。いまこそ、日本人としての生き方、働き方、人生観を見つめ直してみませんか。これこそ、「キャリア啓発」です。もっと『日本人力』をパワーアップさせて、未来を輝かせましょう。
日本の神様たちがどのように苦労し、試行錯誤しながら成長していったのか。それぞれの神様が経験した困難とその乗り越え方には、現代の私たちに通じる人生のヒントが詰まっています。次回は、その苦労にフォーカスし、神様たちから学べる具体的な教訓について考察していきます。どうぞお楽しみに!