失敗しない!正直すぎて運を逃さない対人コミュニケーション術

こんにちは、ライフキャリアコンサルタントのSINOです。突然ですが、あなたは周囲とのコミュニケーションを上手く取れていますか? 人と良い関係を構築するって、難しいですよね。どのような状況でも、人と良い関係を構築できるようになりたいもの。ですが、なぜか人と距離ができてしまうと悩む人も多くいます。「悪いことを言っていないのに、なんとなく相手との関係がうまくいかない……」そんな経験がある方は、この記事をぜひ読んでいただきたいと思います。コミュニケーション力を向上させるヒントをお届けします。

目次

「正直すぎ」は損をする


昔から「正直は美徳」とされています。どんな時も、実直で、素直な心でいることは、とても素晴らしいです。ですが、ときに「正直すぎる」が仇となることもあるのです。人間関係を損ね、運さえも逃がしてしまうので、注意が必要です。

「正直すぎ」がなぜいけないのか。与えるリスクとは何なのか。就活、ビジネス、日常生活において、具体的にわかりやすくお伝えします。私自身が、かつて接客のプロとして、どのように相手の視点に立ち、お客様との関係性を構築してきたのかも、ご紹介したいと思います。最後までお付き合いください。

正直と誠実の違い

「正直でいること」私もつねに素直で、正直にありたいと思っています。ですが、そこにこだわり過ぎて、相手の気持ちを考えられなくなると、「正直」がマイナスに働いてしまう可能性もあるのです。

ここで、「正直」と「誠実」の違いを見てみましょう。

  • 正直な人:正しく素直で、偽りやごまかしをしない人。
  • 誠実な人:私利私欲を交えず、真心をもって人や物事に接する人。

相手の気持ちや状況を考えた上で、最適な言動を選ぶ人が「誠実な人」。自分の心に裏表はないという人が「正直な人」ということです。「正直な人」が必ずしも「誠実」とは限らないのです。

正直よりも誠実が大事

私の実際の経験談から3つのエピソードをあげます。1つ目は、就活アドバイザーとして相談をうけた学生の実例。
2つ目は、百貨店で最高級の寝具ブランドの店長だったころ、私がVIP顧客様のクレーム対応をしたときの実例。
3つ目は、よくある日常生活での、ちいさな出来事から例をあげます。

1) 就職活動での実例:正直さが逆効果になったケース

「就活が上手くいかず面接が通らない」と悩む相談者の実例です。私のところに大学3年生のAさんが相談にやって来ました。自称「嘘がつけないタイプ」。まじめで素直で、長所が多い学生ですが、話を聴くと正直さが災いし、面接中に下記のような問題が生じていることがわかりました。

エピソード1

面接官:「弊社の志望度はどのくらいですか?」
Aさん:「御社は・・・第一志望群です。(「第一志望です!」と断言できない。)」

面接官:「将来、あなたは弊社で活躍できますか?」
Aさん:「う…ん。」(将来はまだ先のことなので「絶対活躍できます!」と断言できない。)

就活生A さんは、ただ「嘘をつきたくない」だけでした。本心を話すことを優先してしまうのです。企業からは「熱意を感じない」と判断されて、なかなか内定が得られません。企業との面接も、対人コミュニケーションです。相手への感謝や配慮、前向きな姿勢を示さずに、良い結果が得られると考えるほうが不自然です。本番の面接で「本心を話すこと」は、そこまで志望が高くないことをあからさまに伝えること。相手の気持ちを考えず、自分本位の発言をすることで、チャンスを逃す原因になってしまった一例です。

あまりに正直すぎると、相手の心をマイナス方向に動かしてしまう原因になることも・・・。

2)ビジネス:クレーム対応の実例 ~誠実さが信頼を生んだ瞬間~

私が日本橋の百貨店で高級寝具ブランドの店長だった頃の実例からです。ある日、ご年配のVIPのお客様が、大変お怒りの表情で来店されました。このクレームのお客様を、私が実際どのように対応したか、その実例です。

エピソード
私の高級寝具のショップで、かつてクイーンサイズのベッドをご購入された若いご夫婦の、義母さまがそのときのクレームの顧客でした。「ご結婚祝いにと、1年ほど前に高額のベッドを購入して娘夫婦にプレゼント。1年もたたずにマットレスの裏側にカビが発生。高額だからこそ余計にご立腹。ベッド本体ごと返品したい。」これがクレーム内容です。店長の私の立場からすれば、返品を受け付けられない理由がいくつかありました。それは下記のとおりです。

  1. 商品には問題がなく、寝室の環境によるものと推測されること。
  2. 1年以上経過していること。
  3. 衛生商品のため返品は不可であること。

正論をすぐに述べるとどうなる?

ここで「返品はできません」と、私がお客様に「正論」を お伝えしたらどうなるでしょう?
おそらく、お客様はさらにお怒りになり、感性性は悪化するでしょう。このときの私は「正論」を述べませんでした。お客様との関係性を、現状のままキープしつつ、こちら側の提案を受けていただく方向へ導きたかったからです。まずは、お客様のお気持ちに寄り添い、この状況のきっかけを作ってしまったことに対して、謝罪をしました。「返品は受けられない」という事実を伝えずに、和解策を模索し、対応する策を考えました。

特殊なクリーニングができる業者さんを見つけ、マットレスの殺菌消毒をしてもらえるよう依頼しました。お客様にご理解をいただくことができ、私がご自宅へに同行しました。今後の寝室の環境改善のアドバイスを行いながら、お客様との関係構築を行った結果、信頼していただけました。その時、私は「正論」をお伝えしました。すると、お客様は、部屋中に結露が発生し困っていたということを正直に話してくださり謝罪してくだいました。

誠実な対応が、信頼を築くカギ

相手の気持ちや状況を考慮せずに「正論」をすぐに述べることは、よくない方向に流れる原因になります。これは私の経験ですが、相手との信頼関係が構築できた後は、「正論」や「想い」をきちんと打ち明けても、きちんと受け入れてくださるようになるものなのです。このときのエピソードは、誠実さと思いやりを持って対応することで、信頼と良好な関係を築けることを示しています。

ビジネスでは、いかにお客様や相手の方に不快なく、納得したり、喜んでいただけるかを常に考えながらコミュニケーションをとる。

3)日常生活の例:正直さが生む誤解

日常生活でも、「正直すぎること」が人間関係を悪化させることがあります。例えば、こんなシチュエーションです。

親しい人が、あなたに何かモノをくださるとします。それを受け取ったとき、あまり好みのものではないと感じたとします。「お気持ちだけで十分です。使わないので」そのように正直に伝えたらどうなるでしょうか?本人は「正直に言ったほうが無駄にならないし、良いことだ。」と思うかもしれません。しかし、相手は「使ってもらえるかと思ったけれど、残念だな……」と思うでしょう。その人には、もう控えようと思うかもしれません。相手の気持ちを考えずに「正直さ」を優先することで、相手を悲しませ、距離を生む結果につながるのです。

このような場面では、まず「ありがとう」と感謝を伝えると良いでしょう。「これ、いいですね!」と相手の気持ちを受け止めることで、関係性はより温かく保たれます。もしも、どうしても「正直に要らないと伝えたい」なら、せめて「ありがとうございます。でも、実は、~~なため、受け取れません。すみません。」と言うと良いでしょう。たとえ不要でも、相手の思いやりに対して、誠実に向き合うことが大切です。

日本の教えに学ぶ ~正論を控える知恵~

日本の文化や言い伝えには、正論を振りかざさず、調和を重んじる教えがあります。これらの教えは現代の仕事や日常生活にも通じる普遍的な価値観です。

「言わぬが花」

必要以上に言葉を重ねて、関係性や和を壊すのではなく、控えることで運や縁を大切にするという教訓。

「和を以て貴しとなす」(聖徳太子) 出典: 十七条憲法

調和や協力が何よりも大切であるという教え。正論よりも「場の調和」を優先する姿勢が重要。

「水清ければ魚棲まず」

あまりにも正しさを追求しすぎると、かえって人が寄り付かなくなるという教え。

「人を叱るときは、正論を盾にしないこと。相手の気持ちを大切にする。」

松下幸之助の言葉。経営哲学の中で「正論を盾にした指摘が、かえって人のやる気や信頼を失わせる」という考えを述べています。

最後に:正直さと誠実さのバランスを取ろう

正直さは美徳ですが、それだけでは人間関係や運を引き寄せるには不十分です。相手の気持ちを思いやり、誠実さを持ったコミュニケーションを心がけることで、より良い関係が築けます。今日から、自分の言葉に少しだけ「配慮」のエッセンスを加えてみてはいかがでしょうか?それが、人生をより豊かにする第一歩になるはずです。

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